アンティーク、ヴィンテージの陶磁器を購入する際のチェックポイントの一つに絵柄の状態があります。長く使用されていたもの、未使用で保管されていたものではかなり表面の状態が異なります。絵柄にスレや剥がれがあるものは製作の技法が原因で起こります。
■上絵付と下絵付け
下絵付けとは?
素焼きされた後に直接絵付けを施し、その後透明な釉薬をかけて高温で焼成する技法。素焼きの生地に絵付をすることは難しく、吸水性が高い生地に素早く描く筆技術が必要です。また、高温での本焼きに使用できる耐久性の良い絵の具は昔は限られており、弁柄で描かれた「鉄絵」や呉須で描かれた「染付」しかなく上絵付にみられる色使いはありません。ただし、下絵付け技法の作品は色が剥げる可能性はありません。
上絵付とは?
本焼き後、釉薬の上から絵付けを施した後に再度低温700~800℃程度で焼き付ける焼成技法です。低温で焼き付けることで使用できる絵具の数が増え、華やかな作品が多くなります。名窯マイセン、セーブルやポーセラーツはこの技法となります。カラフルで美しい色合い彩色は焼成の前後ではあまり変わることがないことが特徴ですが、作品の色剥げの可能性があります。
まとめ
釉薬の上に絵付されるものを上絵付、釉薬の下に絵付されるものを下絵付けといいます。色剥げの可能性があるものは上絵付となります。
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